仲さんはどんな学生でしたか?
僕はあまり大学に行きませんでしたね。大学3年で起業したのでずっと働いていました。私は大学は一つの手段と捉えていて、起業の際に大学に対してあまりメリットを感じなかったので、あまり重みを置いていませんでした。大企業にもあまり興味はなかったんですけど、起業してみてあまり自分に能力ないことに気づいたんですよね。人脈もないしお金の知識もないし。それだったら勉強がてら就職して色々なことを学んだ上で再度起業しようと考えました。ですので、入社した野村證券は3年でサクッと辞めました。(笑)
Lincさんが提供しているLinc Inturnというサービスですが、優秀層に特化した学生と企業のマッチング方式ですよね。企業が求める優秀な人材はどんな人なのでしょうか?
そもそも、企業が求める人材をターゲットにしていません。私達のビジネスモデルは企業が人を採用した後に研修育成システムを提供するものです。それをSaaSという形で外国人に特化した研修eラーニングコンテンツとオンラインワークショップを企業に対して提供しています。大学と同じで、会社にも入っただけではあまり価値がないと考えていて、むしろそこでどう活躍できるかが重要だと捉えているので、私達は活躍支援に特化したビジネスを行っています。
優秀って色々な基準があると思います。
まず優秀さは学歴では絶対に計れません。改善されてきていますが、未だに日本は就職において学歴主義な部分があります。この理由として、学歴以外に判断できる基準がないからなんですよね。一方欧米では、全員一回インターンとして働きます。そこで価値を出した人のみが残れる。ここが日本と世界の違いです。私達が提供したいのが、一回働いてみてお互いの相性が合うかどうかを確かめられるシステムです。結論、優秀さは企業によって異なります。企業と人材の相性が良いとその人材は紛れもなく会社で優秀だと言えます。じゃあ相性とは何か。3つに分けられます。1つ目は会社の目指す未来に共感できるかどうか。2つ目が事業に対して興味があるかどうか。3つ目は価値観が合うかどうか。本当の優秀な定義は、その会社に最もフィットする人のことを指すんですよ。
今まで失敗や窮地はありましたか。
失敗は言い出したらキリがないほどありますね。売上はありがたいことに伸び続けていますが、人間関係に難しさを感じています。その窮地を乗り越えるために一番大事なのは自分の能力の低さを客観的に直視することです。なぜなら、人間1人では何もできないからです。最初は自分で何でもできると思っていたんですけど、そんなことは不可能で仲間の助けがないと絶対企業は上手くいきません。できる所できない所を明確に見極めることが大事です。それができると自分の弱みを補ってくれる人を探せば良いですし。だから、最初の1番の失敗は自分の力を過信し過ぎていた所です。
仲さんのブログで、起業当初に資金調達はかなり順調にいったと拝見しました。
はい、ありがたいことに合計で3億5000万円くらい調達できました。資金調達に重要な面は3つあると考えています。1つ目が「なぜやりたいのか」2つ目は「なぜやらなければいけないのか」3つ目は「なぜあなたじゃなければいけないのか」。この3つが揃うと多くの人が共感してくれ、出資してくれます。特に3つ目の「なぜあなたじゃなければいけないのか」はしっかり認識しておくべきです。これをしっかり持っていないと、売り上げが伸びない時、トラブルが起きた時などに「自分じゃなくても良くない?」と脳裏によぎり心が折れてしまうからです。繰り返しになりますが、何かを続けるための1番重要なことは「Why me」ですね。
NERVの講座の中でもWhyという部分はとても重要だと教わったのですが、本当に重要なのか、まだやったことがなくて実感がないのですが…。
大事な部分はやり始めの楽しい時期は感じないんですよ。上手くいかなくなって初めて感じるんですよね。失敗して初めてWhy meについて考える人は大体ダメになってしまいます。それを起業前から考えることで原動力になるし、窮地からも立ち直れます。色々なビジネスにおいて、やり続けることが競争で勝てる最大の要因ですので、そのためにもWhy meをあらかじめ自問自答しておくことが必須なのです。
Lincさんはインバウンドタレントにフォーカスしていますよね。日本という特別な国で大人になってからマナーや礼儀、文化を覚えるのは難しいことだと思います。インバウンドタレントを育てるという意味では幼少期の教育に力を入れるべきではないかと思ったのですが、これについてどうお考えですか?
これについてはアグリーでありディスアグリーです。文化っていうのはお互いが歩み寄らないといけないものなんですよ。この議論の前提として文化は絶対的という考えがあると思うんですけど、実は文化は流動的です。全ては流動的でありお互いが混ざり合って初めて文化となる。ゆえに幼少期から始めれば良いという問題ではないですね。
5年後10年後、Lincはどんな会社になっていたいですか。
社会にとって益をもたらす会社になっていたいですね。世の課題を解決し価値を生み出す。大事なのはプロセスで、結果(お金)ではないです。目先の利益にとらわれずプロセスを大事にして善であり続ける会社にしていきたいです。
立ち上げから6年間で事業を拡大しているLincさんですが、その際に必要不可欠だった能力はありましたか?
全然ないです。逆に僕がいなくても会社が回ることがとても良い部分だと思っています。
社員1人1人が主人公意識を持っていると言えますが、これは実は仕組みが上手く出来ているからなんです。採用面接の仕組み、人事評価の仕組み、モチベーションアップの仕組み。全ては仕組みです。仕組みがしっかり作られていて、その延長線上に社員の主人公意識があります。僕にとっての一番の成功は仕組みがしっかり作られていて、僕がいなくても会社が回ることです。
確かに仕組みづくりは大切ですよね。しかし、さらに事業を拡大し会社が大きくなるにつれて社員全員がビジョンミッションに賛同できるかはとても難しいと思います。この課題はどう解決できると考えますか?
結論から言うと、まだそのフェーズにいないのでどうやったら良いかはわかりません。しかし、1つ確実に言えることは自分自身が変わらないことです。周りに流されず、逆に周りを変えようともせず、自分が持つ確固たる信念だけは曲げてはいけません。
仲さん自信の1番の強みは何ですか?
私の強みは、自分自身の弱いところを認識している所です。そしてそれを人に任せられる所。これに尽きると思います。
文責:水戸宏輔

